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2000年「よもやま話」【1】

窮地に追い込まれた入鹿池

 皆さんはじめまして。JBマスターズプロの入谷高広です。今回から始まったこのコーナー、中部のアングラーが出掛ける釣り場の現状や流行りの釣り方など、皆さんに役立つ情報をもり沢山で伝えていきますので、よろしくお願いします。

 早速ですが、4月中旬に入鹿池へ行ってきました。一時は水深が2mまで減水していましたが、現在は9mまで回復して水量は安定してきているようです。

 さてここからが本題です。今回私が入鹿池に出掛けた理由は、釣りをすることではありませんでした。

 ではなぜ出掛けたのかというと、今年開催を予定されていたNBCチャプターが中止になってしまった理由と貸しボート屋さんの店頭のちょっとした変化の理由が聞きたいがためでした。

 ちょっとした変化はというと…。

 実は私は3月に入鹿池で予定されていたNBCチャプタートーナメントに参加する予定でした。そこで3月初旬に、減水していた湖底を撮影してトーナメント当日のヒントにしようと、デジタルカメラ片手に出掛たのです。そして貸しボート屋さんの前の道を歩きながら撮影していた時に、店頭にあるはずの自販機がないのに気付きました。

 それを見て私はてっきり自販機の入れ替えだと思っていました。しかしあとで話を聞くと、ビックリです。

 私が入鹿池でいつもお世話になっている貸しボート屋さんの方に話を聞くと、実は自販機で購入したジュース缶を、釣り人が家(またはごみ箱)に持ち帰らずに池に捨てていく(当然全員ではありません)のを止めるためだとおっしゃいました。根底から断ってしまうということですね。

 さらに話は続きます。もともと入鹿池は田んぼに使われる水を貯めておく、いわゆるため池です(それにしても大きいが)。そしてそれを管理する事務所があるのですが、以前に自然保護団体の方が池を視察した際に、池のゴミの多さを環境悪化の原因として管理側が指摘をうけたそうです。

 もともと管理事務所の方々も、今まで厳しく池の管理をされてきましたが、今回の指摘で改めて池をしっかり守ろうということになりました。そして池に関わる業者の方々と話しあい、自販機の撤去や釣り人への(ゴミに対する)呼びかけ、定期的なゴミ拾いなどをお互いに協力しあって取り組んでいるそうです。

 さらに今まで掲載してきたスポーツ紙への情報提供もしばらく中断。そして池に関わる業者側からは、メディアへの直接的な宣伝は一切行なわないということになったそうです。

 そんな中で、しばらくは大きなトーナメントなどの開催も控えようということになりました。これがトーナメントが中止になった理由です。ですからしばらくはしずかな池になりそうです。

 私は愛知県では唯一といっていいくらいバス釣りを歓迎してくれるルアーフィールドだと思っていました。ですが、今回のような事態になってしまい非常に残念です。

 皆さんも入鹿池に釣りに出掛けたことのある方は気付いているかと思います。陸に落ちているゴミの多さや水中の捨てラインの多さです。決して釣り人全員がやったことではありませんが、モラルのない一部の方が行なったことがこのような結果を招いたということです。皆さんはこれをどう考えますか?

 現在も引き続き貸しボート屋さんを始め入鹿池に関わる方々が、お客さんにゴミは持ち帰るように声を掛けたり、陸っぱりをしている釣り人にも声をかけ、そしてゴミも自ら拾うといった努力をされています(本当は私たちがやるべきことですね)。

 この池は、バスフィッシングをする上で一番大切なシーズナルパターンが勉強できる、愛知県では数少ない大切な池だと私は思います。こういった大きなフィールドは他にありませんし、プロを目指す方の登竜門として考えられてきました。

 私もここでアマチュアトーナメントに出場し、プロの資格を得ました。一生懸命通い詰め、練習を重ねました。そのおかげか優勝したりもしました。

 もともとバスの数はそう多くないフィールドですが、その厳しい中で一生懸命頑張って釣りをしてきたことは、私にとって大切な思い出です。

 現時点では、特に釣り禁止になっているわけではありません。また情報が少ないぶん釣り人は多くないので、天候が合えばかなり良い釣果が期待できるそうです。

 もともと数はそれほど釣れる池ではありませんが、10本以上釣れる時もあるので、そのへんの野池よりも実績はあります。釣れればおおかた40アップのバスを見ることができるのも入鹿池の魅力だと思います。

 貸しボート屋さんの話では、水量も回復ししばらく水深は安定傾向が続くそうです。しかし毎年田んぼへの水の供給がはじまる6月初めになると減水傾向になるそうです。ですから安定している5月いっぱいまでが有望かもしれませんね。

 季節も春ということで、ビッグフィッシュも期待できそうです。あとはスポーニングが上手くいってくれれば、またバスの数が増えていくことでしょう(この池は増減水が激しいので、スポーニングが成功する年とそうでない年がありるのです)。毎年入鹿池ではスポーニングはゴールデンウイーク前後に集中します。シャローにバスがよく見られるのもこの頃です。

 しかし私たちアングラーが狙うのはスポーニングに入る前のプリスポーンバスを狙いましょう(子孫繁栄を願うのはバスアングラーとして当然のことだと思います)。

 エリア的には毎年、なかや荘、今井ワンドが有名です。スピナーベイトやクランクなどでスポーニングに入る前に周辺をウロウロしているプリスポーンバスをスローローリングのリトリーブで狙います。そしてスポーニングに上がるルート(スポーニングエリアに一番近いディープまたはストラクチャー→コンタクトポイントと言う)を見つけることができれば、ダウンショットやスプリットショットなどのライトリグの出番です。春はピッタリネチネチが基本です。特に入鹿池はステイが3分とか5分は当たり前。これでもか〜!というくらいステイをさせておくことが、キモになっています。さらにじわじわとずる引きしながら底の変化を感じ取りステイ位置を移動させていくことも大切なキモです

 ワームはストレートワームに実績があります。基本的にクリアレイクのため透明感のあるワームがグッドです。特にティファのボディーシャッドに代表されるロボワームに、私は一番実績があります。

 そしてステイをさせることでラインの動きに注意を向けることは重要ですのでラインの視認性が高い方がいいですし、シンカーも軽めでバイトしたバスに違和感を与えず、さらにきっちり底が取れるものをおすすめします。私はラインがアプロードのレーザーサイト(赤いフロロ!)5ポンドまたはGTR Fチューンフロロ5ポンド(GTR発のフロロラインです)、シンカーがネクストワンのハイブリッドタングステンの16分の1オンス〜32分の3オンスを使用します。

 皆さんも今釣り人が少ないうちに爆釣を狙って出掛けてみて下さい。私も今度は釣りを目的に出掛けてみようと思います。でもバッテリーを運ぶのだけは30歳がせまってきた私のとっての唯一の苦痛だ。貸しボート屋さん、私の腰が砕け散る前になんとかして〜。

以上、「週刊つりニュース」4月中旬掲載

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